J.I.G. ジギング インストラクターズ グループ

カテゴリ: 釣魚図鑑

少し珍しい魚を紹介しましょう。スギです。
まず大抵のアングラーはこの魚に出会うこと自体が少ないと思われます。
しかも、生息域等もよく解らず、いきなりヒットすると物凄く驚かされることに成ります。

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なぜ驚くのか。まずはそのファイトが異質だからです。実際にヒットした瞬間を間近で見ていると、ヒラマサなどの青物の反応によく似ています。ぐいぐいとトルクを発揮し首を振り、小刻みに左右前後に動き回ります。そのファーストファイトを何とか凌ぐと、今度はいきなり走り出します。そのセカンドランがまた強烈。ラインが水を切るのがはっきりと判るほどの速さ。そのまま空中に飛び出す勢いです。ヒラマサとシイラのファイトを足し合わせたような驚きの連続です。
やがて魚体が見えると貴方はさらに驚きます。「サメか?」「ナマズか?(そんなわけないけど…)」「何だあの縞模様は?」おそらく瞬時にスギの名が出てくる人は少ないでしょう。茶褐色の魚体にサメのようなシルエット。水の中に居る時だけ見える2本の大きなストライプ。初めてヒットして寄せてきたら、パニックになること請け合いです。
実は世界中を捜しても『一族一種』という極めて珍しい生態であるスギは、コバンザメの仲間ではないかとかんがえられていて、日本でも対馬や八丈島などで実績があり、世界記録は60kgを超えるそうです。ヨーロッパでは専門に狙う人もいるとか。
食用にも成りますが外見と違い身は癖のない味で、青物と白身の中間のような色をしています。意外にさっぱりした味と、しっかりした食感があります。
しかしやはり珍魚の部類でしょう。その不思議な面構えをみていると、つくづくジギングのターゲットはまだまだ解明できていないな…と感じるのです。

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デコッパチ!なんて呼び名があります。
細長い魚が何処かで壁にぶつかって、形が変わったようないびつな体形。
トップウォーターはおろか空中のトビウオまで捕食する貪欲さ。
近海でも軽く15kgを超え、メーターはるかに超す巨体。そのくせ表層を悠々と回遊する不敵さ。
この変てこな魚はある意味、異端児なのかもしれません。

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海外では、特にハワイ辺りでは『マヒマヒ』という名で高級食材とされてますが、はっきり言って日本人の口には合わないみたいです。
このため、あまり乱獲されず日本近海で見かける機会は多いです。
日本海但馬方面では粕漬けにされたりしますが、これも加工品の材料という感じでしょう。見た目もあんまり美味そうじゃないですしね。
しかしこの魚。ルアーに対する反応が非常に良い。
ターゲットとしては面白いんですな。みなさんご存知の通り。
水温が上がってくると何処からともなく群れで現れ、流れ物(漂流物)に着いたり、潮目にそって回遊したりします。
底の方に居る魚に比べたら、海面を見るだけで居場所の想像がつくというのは嬉しい事です。釣具屋さんで『シイラを釣りたい』なんていうと、必ずトップウォータープラグを薦められます。
これは捕食の瞬間が良く見えるという理由からでしょう。
しかしこの魚はあらゆるルアーで釣れますから、特別こだわりが無ければ色々試して見ましょう。ファイトは飛んだり、跳ねたり、怪力を発揮したりで興奮ものです。取り込んだ後もフックをつけたままかなり暴れますから、事故の無いように注意が必要です。
ちなみに歪な面構えの『デコッパチ』はオスで、メスのほうは全体的に多少丸みがありスマートです。
しかしあまり可愛くは無いですね~。やっぱ。

俗にブリとラマサとこのカンパチを『青物御三家』などと言い、ジギングのターゲットとしてはかなり古くから、しかも世界的な広範囲で狙われてきた魚です。
理由は明快。御三家の中でカンパチは最も巨大化する魚だからでしょう。
最大のものは100kgを超えると言われ、こうなると「青物」なんて呼んでられません。まさしく「怪物」です。
大物志向のアングラーには夢のあるターゲットです。性質的にもやや根魚的な特徴があり根に付きやすい魚なので、未開の地に新しいポイントを求めるのにも付き場が解り易くて都合が良かったのですな。    

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名の由来は額の部分に褐色の「八の字」に見える模様があるから間八。
カンパチと言う説が濃厚です(ならデコハチでもイイじゃん…)。
他にも地方により様々な呼び名がありますが面倒なので解説は省きます。

小型のうちは群れで回遊しますが大型、超大型になると単独、または少数で行動することもあります。
ダイバーの報告によると海底の小さな根に、巨大なカンパチが単独で付いているシーンを良く見かけるそうです。残念ながらあまり大きくなると食味は良くありません。
また場所や水温によっても身の味は違います。小型のほうが美味しいなんて言うと乱獲されそうですが、みなさんこの辺は大人の対処をお願いします。
ファイトは固体によりますが強烈なものです。よく「カンパチは上まで引く」と言われる通り水面まで引き上げてきても決して油断の出来ない魚です。余力を残した取り込みが必要です。
先人たちの開拓でポイントは世界中にありますが、日本近海でも飲ませ漁などで、80kgを超える固体が何本も上がっています。

ここで事務局でも気が付いたのですが、根魚とは大変不幸な魚です。
ハタ類やカサゴ、アイナメ、メバルなどが有名ですが、彼らの不幸は非常に美味しい事です。

専門に狙う人や、「俺はヒラマサよりアコウ(キジハタ)がいい」とか言う人がいるくらい、この手の魚は美味しい。
しかも釣魚図鑑を作ろうとして気付いたけれど、釣り上げてもよほどの大物で無い限り誰も写真すら撮らない。
なんとも可愛そうな魚種です。    
実際、事務局には今のとこ良い写真が少ないので、ここではましな写真のあるカサゴを取り上げましょう。

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関西方面でガシラと呼ばれるこの魚は、頭(かしら)が大きいのでガシラと言うそうです。
最近のアングラーの間ではガッシーなんて可愛い愛称もあります。
習性的には根に付いてあまり移動せず、目前に来た餌だけを捕食する不精な魚です。
しかし、その大きな口を生かしてそばに来た獲物には自分の体と同じ大きさでも食いつきます。
したがって10cmくらいのガッシーが150gくらいのジグに食いつくことは良くあります。
この場合ほとんど竿は曲がりませんが、アタリだけは妙に明確です。
無精者の癖に捕食の際だけは素早いので、かなりヘビーなタックルでもアタリを取る事が出来ちゃいます。
しかし急激な水圧の変化に弱いのが泳力の弱いこの手の魚種の特徴でもあります。
だからある程度底から離せば、あとはパラシュート状態で上がってきます。

ただ写真のクラスになれば「何が掛かったのかな?」という程度には引いてくれます。

あとは刺身でよし、煮てよし、揚げてよしの高級食材です。

典型的な回遊魚であり大きな群れで行動するターゲットがこれです。
しかも『ナブラ』と言う漁師言葉をメジャーにしたのもこの魚でしょう。
ナブラとは本来『群れ』を指す言葉だったんですが、いつの間にかアングラーの間では、群れがベイトを追って海面を沸き立たせる現象をそう呼ぶようになりました。
特にカツオのナブラは威勢が良いですね。盛大に飛沫があがります。
大きな群れなら冗談ではなく滝のような音がするほどです。派手なんです。
だから運良くこんな群れを見つけたら入れ食いの至福のひと時を味わえます。
実はジギングで狙える種類も意外と多い。よく知られたところでは、カツオ、ハガツオ、スマガツオ、ソーダガツオなどがあります。ここに揚げたいずれの種も10kgを超える大きさになります。ファイトは胴震いの激しい横走り型です。
典型的な紡錘型。つまり尾の細い種ですから瞬発力もあります。近海では極端に大きなものに出会うことは少ないですが、それでも4kgを超えるとツナロッドでも曲げてくれます。
食べるほうの話ですが、本カツオのシバキ!・・・じゃなかった。タタキはあまりにも有名です。別名を土佐造りといい四国高知のレシピは最高です。
しかし、鮮度の良いハガツオの刺身などは本カツオにも負けません。
全種共通で甘辛く炊いても美味いですね。さらにすり下ろしたのニンニクとからめて火を通した、ニンニク焼きも癖になります。その他、干したり、漬けたり、
カビ生やしたり、色んな方法で料理されますがこの魚ほど『酒の肴』になりやすい魚種も珍しいです。
こんなところにジガーがこの魚を好きな本当の理由があったりして・・・

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