J.I.G. ジギング インストラクターズ グループ

カテゴリ: テクニカルノート

ハリのちょっと深ぁ~い話

 

魚が餌を食べるまでの一連の行動を「摂餌行動」と言います。

摂餌行動の流れは

聴覚→嗅覚→視覚→(接近・接触)→味覚→触覚

音を聞き、匂いをかぎわけ、目で見て、
触り・口に含み、味わい、飲み込む

となるわけですが、この流れの中で、

魚の身にハリが触れるのは(接近・接触)です。

 

唯一タックルの中で魚に触れている部分はハリです。

接近・接触の部分は一瞬で、その一瞬をいかにものにするかは

ハリの特性を知り、自分で使い分ける必要があります。

 

続きを読む

日本海ジギングについて(丹後~山陰エリア)

ジギングでオールシーズン青物が狙えるのが、
丹後エリアの特徴だと思います。

シーズナリー・パターン

春:3月~5月末 3月後半から新たな大型青物の群れが
突然入って来て、メジロ・鰤ラッシュになる事が多い。
イカなどのベイトから、イワシの群れが入ってくるのがきっかけとなる。)

夏:初夏の6月中旬から7月末まで、キャスティングで鰤が狙える。
(シラスなどのベイトから、イワシ・トビウオに切り替わる時が
 最高にGoodタイミング)
西の鳥取・島根トビウオ情報が入ってきて、
約2週間~1ヶ月後、丹後エリアに青物が到着する。

秋:9月初旬から新たなベイトの群れが入り、
メジロ・フィーバー&鰤フィーバーが始まる。
(アジ・イカのベイトからイワシの新たな群れが入ってくると
外洋性の大型青物が廻ってくる。)

冬:11月後半~1月末頃まで、丹後名物「ハマチ祭り」に入り
30~80本/人の大漁捕獲となる。


ポイント

ポイントとしては、東側の冠島大島沓島
経ヶ岬沖の白石グリ浦島グリ
少し西へ行くと中浜沖間人沖コガネグリ
網野沖のタカグリオオグリ
久美浜沖の竹グリ
更に西へ行くと、オヤマグリボウズグリなどある。

ポイントによって水深は異なるが、50m前後~120m
(浦島グリを除く)位で
浅瀬にはハマチ・水深70m以上になるとメジロ・鰤が狙える。


丹後エリアの特徴

潮時表でも解るように、潮の干満の差が少なく
更に決まった時間通りに動かない

他のエリアなら大潮・小潮など釣行時には
非常に関係があるが、
丹後エリアに限って
その日、海に出てみなければ判らない。」というケースが多い。

もう一つの特徴は「二枚潮」が多く、この攻略をどうするのか?
で釣果が左右される。

風と上潮&底潮が入り混じる事による影響で、
ラインが屈折したり・潮を受けてシャクッてもシャクても
自分が思っている様にはジグは動いていない。
しかして・・・動かないジグには、基本的には魚はバイトしない。

丹後ジャーク」に代表される様に、
初速をつけてからジグを飛ばす動きをさせるの
この「二枚潮対策」に他ならない。

こんな時、ジグが動いているか?をどうやって見極めるのかは
下記の方法がある。

一言で言ってしまえば、「ラインスラッグの時間と量」で判別する。
ジグに因っても異なるが、基本的にはジグをシャクッた後には
ライン・スラッグが出る。
これはジグが飛んだりフォールしたりして
「動き」の中で出来るものであり、
二枚潮がきつければ、このラインスラッグは出にくい。


ジャークした後に以下の事を注視してやってみるとよく解る。
これは、ティップから水面迄のラインスラッグ(たわみ)を
見ていれば一目瞭然である。
小さな力でジャークした後のスラッグの長さ・インパクトを入れた際の
長さ・そこから水平フォールした際のテンションが掛かるまでの時間で、
水中でどのように動いているのかがイメージ出来る。

ジャカ巻きとワンピッチジャーク&ストップ・フォール
コンビネーションで、縦に伸びるスライドをさせると
メジロ・鰤に効果的に攻めれる。

以下は、私見ですので参考にまで・・・

よくスライドするジグを横にスライドさせるのでは無く、
縦に滑る様にスライドさせるには

張りのあるロッドではなく、しなやかなテーパー
持ったロッドを使い、
さらにリーダーはナイロンを使うと良い時がある。

鰤狙いの場合、
例えは難しいが【硬い(+)】【しなやか(-)】と仮定すると、
①硬い張りのあるロッド(+)×良く動くジグ(+)=ベストではない。
②しなやかなロッド(-)×良く動くジグ(+)=ベスト

上記は一例だが、この様なケースは存在する。
鰤がよくヒットするのは②のケースが多い。

更に良い事は、アングラーが疲れず
集中力を継続できる事がメリットとなる。


もうひとつの「拘り~KODAWARI
それは「ストレート」です。
ジグを動かす動作の事ですが、ジャカジャカ巻きでも無く
ワンピッチ・ショートジャークでも無く、
ロッド・ティップを海面に向け
リールの巻き取りだけでジグを移動させる動作です。

言わば、ただ巻きです。
私見ではこの時の移動スピード&移動距離が非常に
ヒット率に関係があるのではないか?と推測しております。

ジャーク・パターンでヒット率が高いと良く言われていますが、
「やる気」になっている青物には有効だと思います。
「やる気」=「活性が高い」

しかし、私が通っている「日本海・丹後」では、
「やる気の無い青物」が多く(潮が動かない日が多い為)
やる気の無い青物」を「やる気に」させる為には、
必ずこのストレート=ただ巻きのスピード&移動距離
必要になります。

丹後エリアの各船長も必ずお客様には、
しっかりシャクッて・アピールさせてよ!!」と言います。

抽象的過ぎて、一部のアングラーには伝わりきれていないと
思いますが、この「しっかりシャクッて」は
ストレート=ただ巻きのスピード&移動距離であり、
アピールさせてよ!!」は
ジャーク・パターンを考えてヒットに繋げて!!だと思います。

この事を考えてやると、より一層ジギングが面白くなりますよ!!


タックル
鰤狙いでは、
【ロット】゙6ft前後のロッド
【リール】シマノ(6000~8000番)ダイワ(3500~4500番)
【PE】2~4号
【リーダー】35LB~60LB 
【ジグ】120~200g
 ※カラーは様々ですが、赤金がオールマイティ
               (イカ・アジベイトに対応)
  シルバーとピンクも持っていれば心強い。

                  J.I.G.    笠原 啓昭

日本海を舞台に活躍するクラブ「海族」の名物キャラ。
気は優しくて力持ち。谷泰介氏が日本海大型メバルゲームのタクティクスを、余すところなく披露してくれました。


Jigging.Instructors.GroupのHP開設おめでとうございます

TV.雑誌等メディアでご活躍されています皆様が集われる『JIG』では次世代のジガ-の育成であったり、様々な情報の発信基地であったり、ジギングの楽しさをより多くの人々に知らしめて欲しいと思います。
これからの『JIG』のより一層の発展を祈念して慶びの言葉とさせていただきます。
最後に、私のような若輩者がこのような場に寄稿させていただける事を大変恐縮におもいます。
クラブ「海族」谷 泰介

 mebaru012

クラブ「海族」所属の谷泰介氏。
日本海で大型メバルを数多く仕留めるエキ
スパートだが、エギングにも精通している。



メバル釣りにハマって厳寒の日本海でまた今年も・・・

《特異なタックルセレクト》
私のホームグラウンドは鳥取県と兵庫県の県境から、福井県と京都府の県境までの日本海での釣りになる。
通常私の釣りは数より大型を求める傾向にあるが、メバルに関してもそれは変わらない。
それ故に通常の釣り方とはかなり趣を異にするが、私のこだわりの釣りを紹介させて頂きたいと思います。

私がメバルを狙って釣行するのは例年12月の上旬からだ。私が好んで足を運ぶ場所の条件は・・・

①大きな波があまり当たらない。

②海草が繁茂している。

③潮通しが良い。

この3つをキーワードに、釣り場所を設定する事が多い。
12月のなかばであれば海草も水面下50センチ程にしか成長していいない。この、海草と水面の50センチの間でメバルとのやり取りをしなければいけない訳だ。

mebaru021

厳冬の日本海では尺メバルが続々と出る。

mebaru031

谷氏の素晴らしい釣果。
独自のスタイルで実績を上げている。



    メバル釣りでは通常ティップの柔らかなロッドを使う方が多いが、このような条件の場所では、メバルがジグヘッドを咥えてラインが引っ張られてやっとティップにトルク感が出る訳だが、それからロッドが曲がりメバルのランを止めるだけのテンションがロッドに掛かった時にはすでにデカメバルは海草の中である。
私は何度も大きな固体を海草の中で取り逃がしていた訳だ。

何とか掛けただけ捕れるようにといろいろ考えた結果、小型のショート・バイトは弾いても、デカメバルのランを瞬時に止められる強いバットとしなやかなベリーを併せ持ったロッドを使用する事にした。
それはもうメバルロッドのイメージからは掛け離れたロッドのようにも思えるが、浅い水深でデカイ奴を瞬時に止めるための必然性からの選択であったのは分かって頂けるだろう。
そんな私の愛竿はSWELLSオーシャンセンシィティブ69Lという21グラムまでのジグが使えるロッドである。
そのロッドを使うようになってからは根にもぐられる事はほとんど無くなった。

《私の日本海でのメバルパターン》
基本的には水銀灯の灯りはかなりの集魚効果が望めるのだが、灯りの直下よりも灯りの光の届く辺縁付近に大型が出る事が多いので、私は明かりの下から暗い外にキャストしリトリーブするようにしている。
しかし!本当の大型が出るのはほとんどの場合薄明かり程度の照度しかない潮通しの良い場所が多い。
小型のプラグやスプーンも使用するが、ほとんどの場合ジグヘッド・リグで釣る。
ウェイトは1/16oz~1/8ozを多用する。


ラインは4ポンドのPEラインを使用している。(ユニチカのトラウト用)
リーダーも同じく4ポンドのフロロを1メートル以内、オルブライトノットで結束している。
ワームは1.5インチ~3インチくらいまでを状況にあわせて使用する。
基本的に藻が多い場所での釣りになるので、メソッド的にはほとんどがサーフェイスのストレートリトリーブになる。水深50センチではジャークやシェィキングもほとんど使わない。ただのダダ引き(笑)
釣り座が足場の高い水深の有る場所ならば、スローテーパーな柔らかいロッドで釣ればやり取りは楽しいものになるはずだ。デカイ奴が掛かっても慌てる事もないだろう。

ただ、私がホームグランドにしている日本海では大抵、海草の繁茂するスーパーシャローでの釣りがメインになることが多いのです。
普通じゃ捕れないから極端なタックルで釣ってますが、ちゃんと結果も出てますし決して誤りでもないかなと思っています。

気軽だけど奥の深いこの釣り!貴方も挑戦してみませんか?きっとハマル事間違いなしです!!

2004年10月寄稿

エギング界のカリスマ的存在であり、「二段シャクリ」で著名な杉原正浩氏が、HP開設記念のゲストトークに寄稿してくれました。氏の語るエギングの魅力から、貴方もきっと何かを感じられるはずです。

sugihara011

杉原正浩
S34年生まれ 大阪在住 ユニチカ所属
エギング界に細糸のPEラインを持ち込み、サイトフィッシングの面白さを広め、デイゲームの基礎を確立した。全国でエギングの講習を開催。出演ビデオ等多数。氏の開発した専用ラインや、ニュータイプのエギ「S2」はJIGメンバーにも高評価を得ている。

   
J.I.G.ホームページ開設おめでとうございます。
関西のみならず全国規模で活躍されている方々が集ったグループは、他に例を見ないほどです。現在の、そして今後のジギングシーンを創生していくことは間違いないでしょう。J.I.G.の今後の発展と活躍を祈願してお祝いの言葉と代えさせて頂きます。 杉原正浩


「エギングとは?」
エギングとは一言で言って「エギでイカを釣ること」たったこれだけの事なのだが、結構奥が深いものである。
様々な釣りで言えるのだが、定説と言われるものが覆される事が多々ある。エギングもそのひとつで、一般に「エギでは日中は釣れない」「激しく動かしたら釣れない」と言われ続けていたが、現在のエギングでは日中のシャクリ&ジャークが脚光を浴びている。フィールドも漁港、防波堤、地磯、沖磯、サーフ、ボートと様々であり、エリアもアオリイカに限って言えば、北海道と仙台以北の東北の太平洋岸を除く日本各地と広く、伊豆半島以西の太平洋岸では12ヶ月、24時間何時でも陸っぱりエギングが可能である。こんなゲームは他には余り無く、お手軽でしかも大物になると一気にドラグを鳴らして走るパワーを持ち、食味も最高なアオリイカを代表とするイカをエギで釣ることである。

 2003~2004 0171

杉原氏は全国で講習会を開催し、
エギングの面白さを広めている。


2003~2004 0301

杉原氏プロデュース『エギS2』
JIGメンバーの評価も高い。

   

「私にとってエギングとは?」「エギングの面白さとは?」

現在メインのゲームであり、仕事の対象でもある。これに嵌ってからは一年の内の1ヶ月が2ヶ月、3ヶ月、半年となり、遂には一年中アオリイカを追いかける事になってしまった。ホームの紀伊半島のみならず、四国、伊豆、九州は奄美、沖縄まで出掛ける事が異常(周囲からは思われている?)とは思わなくなってしまった。
何故それほどの魅力があるのか?

エギングを始めた当初は、ご多分に漏れずシーバスロッドにナイロンラインでのナイトゲームだった。初めての釣行で2杯の小型のアオリイカをゲットするが、タックルがオーバーパワーでありゲーム性を感じるには程遠いものであった。このためかなり間が空いてしまったが、秋の若狭のナイトゲームで再びエギをシャクルことになる。この時はサクラマス用ロッドにフロロカーボンの6lb直結という、以前と比較するとかなりライトタックルとなった。常夜灯の下でエギをシャクリ、数杯のアオリイカをヒットさせる事はさほど困難では無くなっていた。そして朝方に終了して帰途にふと立ち寄った漁港での事である。シャローのウィードエリアに見える数杯の新子。洒落でキャストしたエギに反応したものだから、大の大人がはしゃぎながら新子に遊んで貰ったのである。
それからはデイゲームの可能性を追いヒット数も上昇、サイトフィッシングの技術を磨き、数10杯のアオリイカをヒットさせる事が出来る様になる。しかし同時に限界を感じ始めていた。


次の進化はラインである。
そうPEラインをメインラインにしたのである。エギを如何に高くボトムから跳ね上げ、ゆっくりフォールさせる事が出来るかを考えると、PEしか無かったのである。これに伴いロッドはガイドを交換、ティップ部分は小口径で数を増やし、素材はチタンフレームにして軽量化を計った。例え僅かでもエギを高く跳ね上げるために、2段でシャクリ始めた。
これが今から7~8年前の事である。その後のゲームは前述した通り、徐々に釣行回数は増えシーズンは長くなり(単に固定観念により思い込んでいただけなのだが)一年中デイゲームで追いかけるようになってしまった。
私の経緯を長々と述べてしまったが、最低限1セットのタックルと数個のエギがあれば可能なお手軽さがあり、アオリイカの場合は最大で5キロ(タルイカの場合20キロ)オーバーという大物の可能性があり、食味も抜群。家庭用冷蔵庫で保存も出来るため、家族の理解を得る事が出来る点でも魅力がある。
しかし何と言っても季節、海水温、水色、天候、場所、時間を読んで、テクニックの差が大きく出る事も魅力であり、今現在でも解明されていない不明な点が多くあり、更なる進化が楽しみなゲームであると思っている。

 2003~2004 0501

杉原氏が所属するユニチカの
エギング専用PEライン。



2004年1月寄稿

一つの釣方にこだわるのも良いけれど、別のジャンルを知ればもっと可能性が広がります。
ジギングに限らずルアーフィッシングはイマジネーションの釣りです。
必ずやそれぞれの釣方の中に、限りない上達へのヒントがあります。
そこで事務局では、それぞれのジャンルのエキスパートにゲストトークを依頼しました。
エギング、シーバス、ロックフィッシュ等々。随時記載予定ですのでお楽しみに。

■エギング
二段しゃくりで著名なエギング名人杉原正浩氏が
当ページのために寄稿してくれました。
自他共に認める名手の世界をご堪能ください。



■メバル
山陰の有名チーム海族から谷泰介氏が、
驚きのメバルゲームを紹介してくれます。
ロックフィッシュの奥深さを余すところなく紹介します。

このページのトップヘ